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中野弘道焼津市長と杉原桂子静岡精華学園理事長(贈呈式にて)
『人情を今に伝える焼津の浜言葉』
静岡福祉大学は平成20(2008)年に、焼津の浜言葉辞典『人情を今に伝える焼津の浜言葉』(長谷川寅吉編著)を出版しました。この度、静岡精華学園の社会貢献活動の一環として、同書のデジタル版を再編集し、焼津市に寄贈しました。
内容は、PDF化された浜言葉辞典に加え、長谷川さんが生まれ育った焼津のまちの思い出を語るインタビュー記事や、浜言葉版紙芝居「津波だ!いなむらの火をけすな」等も掲載され、読み物としても楽しめる内容となっています。
音声部分は、「井戸端会議」、「悪童達の会話」、「漁師のオカミさん連中の会話」、「塩サバ屋の多忙な一日」など、生活シーンごとにまとめられ、焼津の古き良き時代がありありとよみがえってきます。
去る8月4日、焼津市役所の市長室でおこなわれた贈呈式では、故・長谷川寅吉さん自らが浜言葉で朗読した本の「まえがき」が会場で流れました。
焼津市魚仲水産加工業協同組合長でもあるご子息の長谷川寛さんは「しょっちゅう机に向かって浜言葉を書き留めていた父の姿を思い出しました」と懐かし気に振り返り、中野弘道焼津市長は「子供の頃はごくふつうに浜言葉を話してました。デジタル化によって、イントネーションを含め、いきいきとした言葉として残されていくことになり感謝しています」とあいさつのなかで触れました。
本書にも書かれていますが、浜言葉に限らず、方言は民芸や祭などと同じように、その土地に住み続けた人々がつむいできた地方独自の表現方法といえます。長い歴史のなかで、ときにはどうにもならない悲しみや、どうしようもない怒りなどの感情を、その地方ならではの言い回しで代々、伝えてきた知恵にほかなりません。方言によって世代を超えた豊かな会話も成り立ちます。
そして、時を経て地方の言い伝えや物語を生み、さらに歌や芝居となって広がり、すばらしい伝統芸能として歴史に深く刻まれていくのではないでしょうか。
・焼津市歴史民俗資料館のウェブサイト(浜言葉)
https://www.city.yaizu.lg.jp/rekimin/bunkazai/kotoba/hamakotoba/index.html(別窓で開きます)
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